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「どうやったらそんなに本を読む子になるんですか」
と聞かれることがあります。
もちろん「本は読ませたい」と思って幼い頃から意識してきました。
でも、特別なことをしているわけではありません。
毎日きっちり読書時間を決めているわけでも、難しい本を早くから読ませているわけでもありません。
振り返ってみると、大事だったのは「どんな本を、どれだけ読むか」よりも、家庭の中で本がどんな存在だったかだったように思います。
読書が「やるべきこと」になっていないこと。
本が身近にあること。
本を楽しむこと。
この記事では、「本を読む子」と「読まない子」を分ける家庭環境のちょっとした違いについてお話ししたいと思います。
読書量よりも「本のある風景」が影響している
本を読む子の家庭というと、
「毎日読書の時間がある」
「親もたくさん本を読んでいる」
そんなイメージを持たれがちです。
でも実際には、読書量やルールの厳しさよりも、家の中で本がどう存在しているかのほうが大きく影響しているように感じます。
本が「特別なもの」になっていない
本を読む子が育ちやすい家庭では、本が特別なご褒美や課題として扱われていません。
- 読むと褒められる
- 読まないと注意される
- ちゃんとした本だけが並んでいる
こうした環境では、本はどうしても「評価されるもの」になってしまいます。
一方で、本を読む子の家では、本がただそこにある。
ソファの横に。
リビングの棚に。
ふと目に入る場所に。
「読むために出す」のではなく、生活の風景の一部として存在しています。
表紙が見える、手が届く
意外と大切なのが、本棚です。
背表紙だけが並ぶ棚よりも、表紙が見える本が少しあるだけで、子どもの反応は変わります。
また、
- 自分で取れる高さ
- 勝手に触っても怒られない
この2つも重要です。
「大事な本だから」
「ぐちゃぐちゃにしないで」
そう言われ続けると、子どもは自然と本に触れなくなります。
読まなくても責められない空気
本が身近にあっても、「読まなきゃいけない」空気が強いと、手は伸びません。
- 最後まで読まなくてもいい
- 途中でやめてもいい
- 開かなくても怒られない
そんな空気があれば、子どもは安心して本に近づけます。
読む子が育つ家庭の共通点は、読ませる工夫よりも、読まなくても許される余白があること。
この余白が、「自分から読んでみようかな」につながっていきます。
書店や図書館を「遊び」で使っている
本を読む子が育ちやすい家庭では、書店や図書館が「何かを達成する場所」になっていません。
ドリルを買うためでも、課題図書を借りるためでもなく、遊びに行く場所として使われています。
「借りる」「買う」が目的じゃなくていい
「今日は何か借りなさい」
「せっかく来たんだから1冊選びなさい」
こうした声かけは、知らないうちに書店や図書館をプレッシャーのある場所にしてしまいます。
一方、読む子が育つ家庭では、
- パラパラ見て終わりでもOK
- 何も選ばなくてもOK
- マンガコーナーに一直線でもOK
という空気があります。
「今日は見て帰るだけ」
「気になるものがあったら教えて」
この軽さが、本のある場所への心理的なハードルをぐっと下げます。
頻繁に行くことで、距離を縮める
大切なのは、1回ではなく何度も頻繁に行くことです。
- 毎回借りなくてもいい
- 毎回読まなくてもいい
でも、何度も足を運ぶうちに、本のある空間が「知っている場所」になります。
知らない場所は緊張する。
知っている場所は、安心する。
この差は、子どもにとってとても大きいのです。
選び方をコントロールしない
書店や図書館で、つい口を出したくなる瞬間があります。
「そっちは簡単すぎない?」
「それより、こっちのほうがいいんじゃない?」
でも、読む子が育つ家庭では、選び方を親が決めません。
読む・読まないよりも、「自分で選んだ」という経験を大切にします。
その積み重ねが、本は「やらされるもの」ではなく「選べるもの」だと感じさせてくれます。
書店や図書館は、本に触れる場所
読むために行く場所、ではなく本に触れる場所。
この感覚がある家庭では、本は勉強道具ではなく、生活の延長にあります。
家の外でも、本との距離が近い。
それが、読む子が育つ家庭に共通していることのひとつです。
「読ませよう」としない家庭ほど、読む子が育ちやすい
本を読む子が育つ家庭では、意外なほど「読ませよう」という圧がありません。
「今日は何分読んだ?」
「まだ読んでないの?」
「そろそろ本を読んだら?」
こうした声かけは、良かれと思ってつい出てしまうものです。
でも、読む子が育ちやすい家庭ほど、こうした言葉が少ない。
読書が「管理」されていない
読む子が育つ家庭では、読書が管理対象になっていません。
- 読書時間を測らない
- 冊数を競わせない
- 読書記録を評価しない
読書は、成果を出すものではなく、過ごし方のひとつとして扱われています。
管理されると、子どもは「自分のもの」だと感じられなくなります。
「本を読みなさい」は「勉強しなさい」と同じ
「本を読みなさい」という言葉は、内容とは関係なく、指示そのものが子どもを遠ざけることがあります。
これは、「勉強しなさい」と言われるとやる気が下がるのとよく似た構造です。
選ぶ自由がなくなった瞬間、本は楽しむものから義務に変わります。
親にできるのは環境を「整える」ことだけ
本を読むかどうかを決めるのは、最終的には子どもです。
親ができるのは、
- 本のある環境を整える
- 選択肢を用意する
- 評価しない
この3つだけ。
読むかどうかをコントロールしない家庭ほど、結果として読む子が育ちやすい。
そんな逆説が、ここにはあります。
まとめ|家庭環境は、今日から変えられる
「本を読む子」と「読まない子」の違いは、才能や性格の差ではありません。
多くの場合、本と出会う「環境」と「距離感」の違いです。
- 本が身近にある
- 書店や図書館に行くことが特別じゃない
- 読ませようと管理しない
こうした家庭では、読書は生活の一部として自然に存在しています。
親ができるのは、読むようにさせることではなく、読める空気をつくること。
今すぐできることは、大きなことではなくてかまいません。
- 次の週末、用事ついでに本屋に寄る
- 図書館に「遊びに行く」
- 「読んだ?」と聞くのを一度やめてみる
それだけでも、本との距離は少しずつ変わります。
焦らなくて大丈夫。
比べなくて大丈夫。
読む子は、ある日ふっと、自分のタイミングで本を手に取ります。
その瞬間のために、今日からできる環境づくりを少しずつ始めてみてください。
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