SNSが欠かせない時代、子どもたちが日常の中で触れる情報や人間関係は、大人が想像するよりずっと広く、そして複雑になっています。ちょっとした投稿がトラブルにつながったり、悪意のある人から近づかれたり、心が疲れてしまうこともあります。
「気をつけてね」と言いたいけれど、10代には言葉が重く聞こえてしまうこともありますよね。
そんなとき、リビングにそっと一冊置いておくだけで「身を守る知識」に触れられる──そんな本があると、親としても少し安心できます。
この記事では、犯罪やトラブル、メンタルケア、法律の基本などもやさしく理解できる本を厳選して紹介します。
押しつけにならず、子ども自身が必要な時に手に取りやすいものばかりを集めました。
目次
犯罪・危険
身の回りの危険から自分を守る知識。
①『リアルにヤバい犯罪増加! 10代の防犯』
今、実態のつかめない「ヤバい」犯罪が社会をゆるがしている。命を落とす危険性があるものから、インターネットを悪用したもの、「闇バイト」など知らない間に自身が犯罪者になる可能性があるものまで、急速に増加している。そのターゲットにされているのが10代の子どもたち。そこで、さまざまな犯罪に対し、現実的にどう対策すべきかを徹底解説。現代の犯罪事例に完全対応した、まさに10代のための防犯バイブルといえる一冊!
②『いのちをまもる図鑑』
池上彰監修! あらゆる危険から「命を守る方法」を全網羅!
じつは、命の危険はある日突然、おとずれます。
ハチに襲われた! クマに遭遇した! 目の前で人がおぼれている! アメがのどにつまった! 不審者がついてくる……。
こうしたピンチを乗り切るために重要なのは「知識」です。「日常で遭遇する可能性のある危険」と、その「対処法」を知っていれば、落ち着いて最適な行動がとれるようになります。
本書では、楽しいイラストとともに76の危険回避法を紹介します。
③『あなたとあなたの大切な人を守る 捜査一課式防犯BOOK』
「自分は大丈夫」「犯罪なんて自分は無縁」と思っていませんか?正直にいいましょう。日本は危ない。日本人は危ない。
「自分は大丈夫」「私は平気、心配無用」と過信している人が多い。たしかに、日本は安全大国だ、といわれていた時代はありました。でも、今の日本の現状はどうか。
僕の元刑事としてのカンはこういいます。今の日本は危険だ、と。もし、日本は安全だとまだ思っているのであれば、それは、とても危険なことです。なぜなら、犯罪のターゲットに自ら手を挙げ立候補しているようなものだからです。犯罪者は、社会に潜み、ターゲットを虎視眈々と狙っています。私たちを取り巻く社会の実情を知り、正しい知識を持ち、危機管理意識を持つこと。それが、今、求められています。
さまざまな犯罪現場に赴き、また、犯人にじかに接してきた、僕の刑事としての経験と知識が、みなさんの、みなさんの大切な人の、そして、社会の安全を守るために活かすことができれば、と願っています。
④『リスクに備える最新情報版 大学生が狙われる50の危険』
新型コロナウイルスの流行で大きく変わった大学生活。いまどきの大学生が巻き込まれやすい「50の危険」とその予防&対応策を、マンガや図表を使って徹底解説。SNSやスマホのトラブル、カルトからの勧誘、ブラックバイト、自転車事故、飲酒トラブル、大地震・豪雨… “知らなかった”でせっかくの大学生活を台無しにしない、学生と親のための安全・安心マニュアル決定版!イザという時の相談窓口も掲載していて超お役立ちの一冊。
バイト
バイトで人生が狂わないための知識。
⑤『ブラックバイトに騙されるな!』
長時間労働に無理なシフト、罰金、売り上げノルマ、果ては自爆営業の強要まで――。まだ社会経験の浅い学生を都合のいい労働力として、過酷な条件で働かせる「ブラックバイト」。その問題点を浮き彫りにし、解決策までを提示する。
ブラックバイトの巧妙な手口とは? やめたくてもやめられないバイトから抜け出す方法、身を守る方法とは? 困っている本人に仲間・友人、大人たちは何ができるのか?
学生たちから直接相談を受け、早くからブラックバイトの問題提起を行ってきた第一人者による決定版。もはや知らないでは済まされない、若者をむしばむブラックバイトの実態が明らかになる!
⑥『ハンディ版 あの時こうしなければ……本当に危ない闇バイトの話』
手をだしたら、人生終了。
実際の事件をもとにしたマンガを9話収録。闇組織の解説も充実!知らぬ間に犯罪行為をさせられる「闇バイト」が、10~20代の間に広がっている。一度、手を染めたら簡単にはやめられない恐怖のバイトに、どうしたら誘われずに済むのか。マンガで事例を紹介しながら闇組織の手口を解説する。
SNS・インターネット
インターネットの危険から身を守る知識。
⑦『被害者にも加害者にもならないために SNSから心をまもる本』
スマホやSNSが子どもにとって、とても身近で気軽なものになっている現代。
だからこそ思いがけず、子どもはSNSトラブルの被害者だけでなく加害者にもなりえてしまいます。
そんな今だからこそ、スマホを使うすべての子どもたちに知っていてほしいことを詰め込んだ1冊です。
⑧『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』
悪ふざけ投稿、誹謗中傷、炎上…。いまや誰もが発信者、気を付けないと自分が加害者になることもあります。また、フェイクニュースやデマも多く情報の受け取り方にもコツが必要です。情報との向き合い方、発し方を池上彰がわかりやすくナビゲートします。
⑨『マンガでわかる スマホ脳の恐怖』
緊急事態! 子どもの脳が さぼりはじめています。
脳科学者・川島隆太教授の研究データをもとに、スマホと脳の関係を徹底解説!「スマホを使うと成績が悪くなる」という驚きの研究結果がある。どれだけ勉強しても、スマホを使う時間が長いと、テストの点数がとれないのだ。東北大の川島教授の研究をもとに、マンガと解説で、スマホと脳の関係に迫る。。
ドラッグ
ドラッグから身を守る知識。
⑩『新版 こどものためのドラッグ大全』
〝教わる〟よりも〝考えよう〟
クスリのコワさとオモシロさをぜんぶ。
ドラッグの新しい教育書が誕生しました。==10代のキミにこそ、読んでほしい==
クスリをキメると、気持ちいいの?
依存症と後遺症には、なにがあるの?
どうして、やるとダメなの?
海外では、なんでやっても良いの?
安全なクスリと、危険なクスリってあるの?じつは、みなさんのまわりにいる大人たちは、こんな疑問や質問に答えることはできません。おそらく、クスリの知識も少なく、経験者もそう多くないはずです。だから、クスリをやめたいと思っても、興味を持ってやってみたいと思っても、なっとくできる答えを聞くことはできません。
この本では、大人や学校では教えてくれない、クスリの良いことも悪いことも、隠すことなく紹介しています。
クスリに関するすべての知識を身に付けた上で、ちゃんと自分で考え、一歩ずつでも前に向かって踏み出すきっかけを手に入れましょう。
いじめ
加害者にも被害者にもならないために。
⑪『いじめ14歳のMessage(メッセージ)』
14歳の著者が経験したいじめを小説化!
私は中2の彗佳。成績は急に下がって、ひとりぼっちなの。理由はいじめ。ある日、クラスリーダーの陽子が「千夏でゲームしない?」と楽しそうに言って、千夏の机に死ねとか書いた紙を置いたり、仲間はずれにしたり。辛そうな千夏に私はたえられず、やめよう!と陽子に訴えたら「ゲーム=いじめ」のターゲットが今度は私に。皆に口を利いてもらえず、臭いとかひどい言葉を浴びせられるけど、親や先生にこの地獄のことを言えなくて!――14歳の著者が、経験したいじめをもとに「いじめなんかに負けないで」というメッセージを込めて小説化! 小学館パレットノベル大賞審査員特別賞受賞作!
⑫『もしキミが、人を傷つけたなら、傷つけられたなら』
元・少年院の先生の人気Vtuberが教える!被害者や加害者にならないための対処法、落とし穴の見つけ方
体も心も成長中の10代は、ふとしたきっかけや気の迷いで、足を踏み外すもろさがあります。違法行為に手を染めてしまったり、犯罪被害にあってしまったり……。保護者にとっては心配のタネが尽きない一方、子の多くは自分には関係ないと考えがちです。
しかし、「いじめ」にも犯罪の要素があったり、いじめの延長線上に犯罪が顔を出すこともあります。つまり犯罪はとても身近な存在なのです。本書では、10代の子やその保護者に向けて、元・少年院の先生で人気Vtuberである著者が、少年院の現場での経験や、犯罪学で得た知識をベースに、犯罪やいじめの被害者にも加害者にもならないためのアドバイスをしていきます。
性
性犯罪から身を守る知識。
⑬『10歳までに知っておきたい まんがでわかる! 子ども防犯性教育』
家族で読んでこの一冊で子どもを一生守る!『防犯+性教育』本 誕生!
昨今、子どもが巻き込まれる性犯罪は増加の一途をたどっています。
そんな中で「気をつけなさい」と言われても、どんな人が危険なのか、どう行動すれば身を守れるのか――その基準は小学生にとって依然あいまいです。
本書は、これまで別々に教えられることの多かった性の知識と防犯の知識を産婦人科医と防犯教育専門家の監修のもと一冊にまとめ、子どもが性犯罪から自分を守る力を確実にわかりやすく身につけられるよう構成しました。危険を察知する方法や、声をかけられたり後をつけられたりした際の具体的な行動、自分の体の大切な部分=プライベートゾーンの意味と守る理由を、物語とギャグタッチのマンガでわかりやすく解説します。
案内役はハリネズミの妖精ハリー。小学3年生の男女・りくとつばさに、これから訪れる体の変化や仕組み、防犯の基本、大声で助けを呼ぶ方法、「イヤ」とはっきり言う勇気の持ち方までを、ユーモアたっぷりのフルカラー漫画でレクチャーします。
さらに保護者向けに、家庭で実践できる性教育と防犯のポイントも記事で掲載
⑭『ラジオ保健室 10代の性 悩み相談BOOK』
NHK放送総局長特賞(2020年上半期)を受賞した、大人気番組、ついに書籍化。
誰にも言えない悩み、ここでなら話せるかも!
体の悩み、性の違和感、コンプレックス、どうしようもない不安と、知りたい気持ち……。
思春期の10代がかかえるモヤモヤに、多彩な専門家やゲストが寄りそい、一緒におしゃべりしながら、正しい知識と心をほぐす言葉を届けます。
\10代のそばにいる大人も必読!/
中高生向けの性教育・ジェンダー教育にも最適の1冊です。
心
心をケアする知識。
⑮『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』
中学生から高校生にかけての思春期といわれる時期は心と体が大きく変化し、アンバランスな状態になります。だからこそ、正しい知識を身につけ、イライラや衝動への対処法を知っておくことは大切です。本書では自分自身で「しんどさ」をやわらげ心を守るためのセルフケア法をわかりやすく解説します。
⑯『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』
「明日、もう無理」と思ったときに読んでください
私は、「守られるべき存在」だ。
学校に行くことのつらさ、家にいることの苦しさ、自分自身についての悩み…さまざまな生きづらさを解決するヒントを集めた1冊。
中学生・高校生~大人まで読んでほしい、精神科医が教える”頼る”ことからはじめるセルフケア。
⑰『わたしはわたし。あなたじゃない。10代の心を守る境界線「バウンダリー」の引き方』
友だち、親、先生、SNSが…毎日しんどい。
本当は嫌なのにNOと言えない。そんな人間関係に悩むあなたへ。
モヤモヤの正体は、「バウンダリー」にある!?
本書は、中高生の困りごとに向き合うスクールソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんが、10代が抱えている人間関係の悩みやしんどさについて、「バウンダリー」を糸口に対処法を見つけ出し、助けになる知識と作戦を伝える本です。
バウンダリーとは、「わたしはわたし、あなたはあなた」という、自分と相手の間に引く境界線のこと。
たとえ家族でも、友達でも、教師でも、恋人でも、バウンダリーを踏みこえるのはNGです。
お互いの心地よい距離感を見つけて、ちょうどよく線を引けたらラクになるはず。
法律
自分の身を守る法律の知識。
⑱『もしも高校生のわたしに「法律用語」が使えたら? 読むだけで法律に強くなる12の物語』
物語形式で法律用語の意味と使い方をやさしく解説。物語では日常生活で起きるトラブルから自分や大切な人を守るために使える「法律用語を使ったセリフ」が散りばめられ、物語の後に、その法律用語の意味・使い方を教えます。法律学習が楽しくなる法律小説です。
⑲『僕らが生きているよのなかのしくみは「法」でわかる 13歳からの法学入門』
「SNSにだれかの悪口を書いたら、どんな罪になるの?」「いじめって、犯罪?」
知らずしらずのうちに接している「法」を知れば、世の中がわかる! ストーリーマンガ入りの解説で10代から大人まで読める。いちばんやさしい「法入門」!
⑳『18歳からの「契約」超入門 マンガと図解 デジタル時代に だまされないための』
□狙われる成人年齢18歳
成人年齢が18歳に引き下げられました。保護者の同意なしで、携帯電話の購入からローンの契約など、自分の判断で様々な契約ができるようになります。そのため、契約の知識がない若者が狙われています。
□契約トラブルは、年間92.4万件!
日本では契約について学校で丁寧には教えておらず、日本人は契約の意識が薄いといわれます。実は、コンビニでおにぎりを買うのも、電気が家に来るのも、アルバイトも、結婚も、就職も、実は契約を前提に成り立っています。契約を知らないと、契約を利用する輩に容易にだまされてしまいます。
□デジタル詐欺に気をつけろ
オンラインゲームの課金やアダルトサイトの高額請求を皮切りに、有料の出会い系サイトに誘導されたり、化粧品やダイエット商品の「お試し」が高額商品の契約になっていたりなどといったケースで被害が増加しており、若者の多くは泣き寝入りです。
□マンガと図解で契約を解説
本書では、マンガや図解を使って、特に若者や一般生活で関係のある契約をわかりやすく解説。高校生から大人まで、自分の身を守るために知っておきたい契約の知識を得る1冊です。
まとめ
子どもの世界は、親が思う以上にスピードが速く、変化も激しいもの。
だからこそ、「知っている」というだけで、危険を避けたり、心を守れたり、相談する一歩が踏み出せることがあります。
今回紹介した本は、10代にとっての 「お守り」 のような存在。そして、親にとって「そっと近くに置いておける安心」でもあります。
会話がむずかしいテーマも、本を介せば自然と距離が縮まることがあります。気になる一冊を、ぜひリビングの棚やテーブルにそっと置いてみてください。きっと、必要なときに子どもが自分から手に取ってくれるはずです。
