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「SFって、未来の宇宙やロボットの話でしょう?」
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
もちろんそれもSFの魅力ですが、実はSFには、「人間」や「社会」を深く描いた作品もたくさんあります。
もし記憶を自由に扱えるようになったら?
もしAIが人間以上に賢くなったら?
もし「正しさ」が管理された社会で暮らすことになったら?
SFは、「もしも?」を通して、今の自分たちの世界を見つめ直せるジャンルです。
今回は、タイムループ、近未来、ディストピア、AIなど、さまざまなテーマを楽しめる名作SF小説を15冊紹介します。
読みやすい作品から、「ちょっと深いSF」までそろえたので、ぜひ次の一冊を探してみてください。
読みやすいSF小説をお探しの方はこちら
目次
タイムループ・謎解き系
①『All You Need Is Kill』(桜坂 洋)
映画原作! 英題:「Edge of Tomorrow」 主演:トム・クルーズ 監督:ダグ・ライマン
◆2014年1月9日より「週刊ヤングジャンプ」にて小畑健(「ヒカルの碁」「DEATH NOTE」「バクマン。」)により連載開始!新鋭桜坂洋・渾身の1冊、SFテイスト!!
近未来。初年兵キリヤとクレイジーな女准尉リタの物語。流麗な文体と当文庫には珍しい、ロボットSFのテイストを持つバトル・アクション。SF界の第一人者・安倍吉俊のイラストも話題必至です。
②『リピート』(乾くるみ)
もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて……。あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。
③『7回死んだ男』(西澤 保彦)
高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが――
鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!
④『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)
月面で発見された、真紅の宇宙服をまとった死体。綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもないだけでなく、この世界の住人でさえなかった。彼は5万年前に死亡していたのだ! いったい彼の正体は? 調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む。
文学・哲学系
⑤『旅のラゴス』(筒井 康隆)
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。
⑥『四畳半神話大系』(森見 登美彦)
妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ!
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できれば1回生に戻ってやり直したい! 4つの並行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。
⑦『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)
32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していくが……。天才に変貌した青年が知る、人の心の真実とは?
全世界が涙した不朽の名作。
⑧『吉里吉里人』(井上ひさし)
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券(りょげん)ば持(も)って居(え)だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。
日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
近未来・ディストピア系
⑨『know』(野﨑 まど)
超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。
情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。
道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。
それは、世界が変わる4日間の始まりだった――
⑩『My Humanity』(長谷 敏司)
擬似神経制御言語ITPによる経験伝達と個人の文化的背景との相克を描く「地には豊穣」、ITPによる小児性愛者の矯正がグロテスクな結末を導く「allo,toi,toi」――長篇『あなたのための物語』と同設定の2篇にくわえ、軌道ステーションで起きたテロの顛末にして長篇『BEATLESS』のスピンオフ「Hollow Vision」、自己増殖ナノマシン禍に対峙する研究者を描いた書き下ろし「父たちの時間」の全4篇を収録した著者初の作品集
⑪『横浜駅SF』(柞刈湯葉)
この「18きっぷ」で、人類を<横浜駅>の支配から解放してほしい。
日本は自己増殖する<横浜駅>に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理されるエキナカ社会。その外で廃棄物を頼りに暮らすヒロトは、エキナカを追放されたある男から人類の未来を担う“使命”を課され……
⑫『 ハーモニー』(伊藤計劃)
21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。
医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。
そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した――それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、ただひとり死んだはすの少女の影を見る――
『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。
⑬『新世界より』(貴志 祐介)
第29回日本SF大賞受賞 第1位
ここは病的に美しい日本(ユートピア)。
子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があまりにも強力だったため、人間はある枷を嵌められた。社会を統べる装置として。
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。
⑭『月は無慈悲な夜の女王』(ロバート・A・ハインライン)
2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……
⑮『スノウ・クラッシュ』(ニール・スティーヴンスン)
連邦政府が無力化し資本家によるフランチャイズ国家が国土を分割統治する一方、オンライン上に仮想世界「メタヴァース」が築かれた近未来のアメリカ。アヴァター技術を開発した凄腕ハッカーにして、マフィアが経営する高速デリバリーピザの〈配達人〉ヒロ・プロタゴニストはある日、メタヴァースで出会った男に「スノウ・クラッシュ」なる謎のドラッグを手渡されるが……。本書が未来を書き換え、SFは現実と接続された。
まとめ
AI、情報社会、管理された未来、仮想空間――。
SFで描かれる「もしもの世界」は、今の私たちの社会や生き方にもつながっています。
だからこそSFは、読むたびに新しい発見があります。
今回紹介した作品は、どれも「物語として面白い」のはもちろん、「人間とは何か」「自由とは何か」「社会はどうあるべきか」まで考えさせてくれる名作ばかりです。
最初は難しく感じる作品があっても大丈夫。
全部を完璧に理解しなくても、「もっと知りたい」「もう一度読みたい」と思えたなら、それがSFの面白さです。
ぜひ気になる一冊から、本格的なSFの世界を楽しんでみてください。

