学習まんがや現代のおもしろい作品も良いけれど、やはり親としては「名作」と呼ばれる文学にも親しんでほしいという思いが生じます。けれども子どもたちには「堅苦しそう」「難しいそう」「面白くなさそう」と毛嫌いされたり。そこでおすすめなのが 角川つばさ文庫の「世界の名作」シリーズ。
イラストも今の子どもたちの好みに合わせられているので、一見すると、楽しそうな今風の物語のように見えます。ストーリーを損なわずにわかりやすく再構成されているので、名作文学への最初の一歩にぴったりです。
おすすめ① 新訳 若草物語
アメリカの南北戦争時代、マーチ家の4姉妹が支え合いながら成長していく物語。家族愛と夢を大切にする姿に共感できます。
おすすめ② 新訳 レ・ミゼラブル
ジャン・バルジャンとコゼットを中心に描かれる、人間の罪と赦し、そして愛のドラマ。重厚な原作を、読みやすく再構成した一冊です。
おすすめ③ 怪盗紳士 アルセーヌ・ルパン
変装の達人にして頭脳明晰、紳士的でありながら大胆にお宝を盗み出す怪盗ルパン。けれど彼はただの盗賊ではなく、時に悪を懲らしめ、弱き者を救うヒーロー的な一面も持っています。推理やトリック、アクションがつまった物語は、小学生・中学生でも夢中になる読みごたえです。

おすすめ④ ふしぎの国のアリス・かがみの国のアリス
白うさぎを追いかけて飛び込んだ先は、なんでもありの不思議な世界。体が大きくなったり小さくなったり、奇想天外な出来事が続く冒険物語です。
おすすめ⑤ 新訳 赤毛のアン
明るく想像力豊かな少女アンが、新しい家族や友だちと出会い、数々の失敗や喜びを経験しながら成長していく物語です。「アンの青春」「アンの初恋」のシリーズもそろっています。



おすすめ⑥ 新訳 オズの魔法使い
竜巻に飛ばされ、不思議なオズの国へやってきた少女ドロシー。勇気を求めるライオン、心を求めるブリキの木こり、知恵を求めるかかしとともに「エメラルドの都」をめざす冒険物語です。友情や勇気、そして「ほんとうに大切なものは自分の中にある」というテーマが心に響きます。
おすすめ⑦ 新訳 海底2万マイル
天才科学者ネモ船長と潜水艦ノーチラス号に乗り込み、深海へと旅立つ冒険物語。巨大イカとの戦いや、海底に眠る財宝、そしてネモ船長の謎めいた過去……。ジュール・ヴェルヌの傑作を、小中学生でも読みやすい文庫版で楽しめます。科学と冒険のロマンがたっぷり詰まった名作です。

おすすめ⑧ 新訳 賢者の贈り物・最後のひと葉
短編ながら深い感動を与えてくれる、オー・ヘンリーの傑作です。子どもたちに「思いやり」「希望」「生きる力」を伝えてくれる一冊です。

おすすめ⑨ 新訳 十五少年漂流記
15人の少年少女が、無人島に取り残されてしまう冒険サバイバル物語。知恵をしぼり、力を合わせて生活を築き上げていく姿は、子どもたちに勇気と協力の大切さを教えてくれます。

おすすめ⑩ 新訳 ナルニア国物語
不思議な衣装だんすを通じて、兄妹たちが魔法の王国「ナルニア」に迷い込み、ライオンのアスランとともに冒険を繰り広げる物語。勇気、友情、正義といったテーマが描かれた大長編ファンタジーで、映画化もされた世界的名作です。

おすすめ⑪ ぼくらのアラビアン・ナイト
千夜一夜物語をベースに、シンドバッドやアラジンなどの冒険譚を子ども向けに再構成した作品。魔法のランプや空飛ぶじゅうたん、怪物との出会いなど、わくわくするエピソードがいっぱいで、ファンタジー好きの子どもにぴったりです。

おすすめ⑫ あしながおじさん
孤児院で育った少女ジュディが、謎の支援者「あしながおじさん」の援助を受けて学校に通い、成長していく物語。全編がジュディの手紙で綴られており、ユーモアと前向きさにあふれています。
おすすめ⑬ 新訳 飛ぶ教室
ドイツの寄宿学校を舞台に、友情や夢、葛藤を抱える少年たちが織りなす心温まる物語。ユーモアと感動がバランスよくちりばめられていて、読後には「仲間を大切にしよう」と思わせてくれる名作です。
おすすめ⑭ トム・ソーヤーの冒険
アメリカの小さな町で暮らす少年トムが、仲間たちと繰り広げる大冒険の物語。洞窟探検や宝探し、イタズラや友情、そして成長の瞬間までがユーモアたっぷりに描かれています。子ども時代の自由な冒険心を思い出させてくれる一冊です。
おすすめ⑮ シートン動物記
動物たちの生き生きとした姿を描いた名作ノンフィクションで、オオカミ王ロボ、カラスのジム、フクロウの物語など、野生の厳しさや命の尊さを感じられる作品です。物語として楽しめるだけでなく、自然や動物との共生についても考えさせられる一冊です。

まとめ
角川つばさ文庫の「世界の名作」シリーズは、イラスト入りで読みやすく、子どもたちが名作文学に親しむのに最適です。ここで紹介した15冊はどれも、物語の魅力を味わいながら「生きる力」や「心の豊かさ」を育ててくれる作品ばかり。ぜひ親子で一緒に手に取り、世界の名作の扉を開いてみてください。